売上高83億円、9割はSi半導体向け製品
同社の2020年1月期の売上は83億円、営業利益は23億円。売上高営業利益率は28.1%で、2018年1月期以降、3年連続で約25 %以上となった。また、売上は6期連続、営業利益は5期連続で過去最高を更新と、躍進している。
ビジネスモデルの大きな特長は、大手が参入しにくい数億~数十億円規模のニッチなマーケットを狙い、それぞれの製品でトップシェアを取っていくという点だ。同社の売上の9割近く、74億円を占めるのが、Si半導体向けの材料。近年、高性能・高集積化が進む最先端の半導体の開発には、新たな化学薬品の存在が欠かせないが、必要とされる絶対量は少ない。加えて、半導体メーカーが製造する全デバイスのうち、最先端の物が占める比率も、さほど高いわけではない。
「要は、最先端デバイスになればなるほど、化学薬品は新しいものが必要になって、マーケットは小さくなります。そうすると、大手が非常にやりづらいですよね。(量は)増えたところで高が知れていますから、大手さんは非常に手を出しづらいマーケットです」(太附聖社長)
マーケットの特殊ぶりは、極端な例だと、「0・1グラムをガラス瓶のようなものに入れて出荷することもある」(同氏)程。競合らしき競合は存在せず、製品ごとにライバルが存在するか、もしくはそれすら存在しないという、独走状態だ。この状況は、価格優位性を生み、利益率を押し上げる要因となっている。また、顧客からの細かな要望に応えるにあたっては、過去に開発してきた2000種にものぼる膨大な製品自体も大きな存在だ。
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