ココナラ 【4176・グロース市場】

誰もがスキルをやりとりできる総合型ECサイトを運営
開拓者として潜在市場規模18兆円のマーケットに挑む

自分ができること、やれることを、インターネットを通じ他の人に販売することで共有(シェア)する、いわゆるスキルシェアのマーケットで知名度を拡大しているのが、ココナラだ。モノの売買を行うようにサービスをオンラインで売買するという新たな市場の開拓者として挑戦を続け、2021年3月にはマザーズ(※当時)に上場。21年8月期時点での流通高は96億円にのぼる。現在、サービスの更なる浸透を目指し、チャレンジを続けている。
ココナラ-鈴木 歩代

鈴木 歩代(すずき あゆむ)

社長

1982年生まれ。早稲田大学卒。リクルートにて、商品企画・営業・アドテク新規事業での事業開発を経験。その後リクルートホールディングスにて海外経営企画を経て、2016年5月よりココナラに参画。

スキルをネットで売買する
新たな文化の醸成を目指す

「『ホームページ作成、頼みました』『ロゴデザイン、頼みました』仕事頼むなら、ココナラ!」というCMを知る人もいるだろう。ココナラでは「モノと同じようにサービスをオンラインで取引することが当たり前な世の中を作り出すこと」を目指し、知識やスキル、経験を持っている人と、それらに興味をもつ購入者とを繋げる、インターネットサイト「coconala(ココナラ)」の運営を行う。基本的な造りはECサイトと同じで、出品者がサービス内容と価格を決めて商品化したサービスがサイト上に並ぶ。購入者はその中から、日用品を買うように比較検討しながら購入できる。代金は、ココナラ側が一旦預かり、出品者には納品完了後に報酬が支払われる。ココナラは出品者から20%、購入者から5%、計25%程度の手数料を得る仕組みだ。

「特徴は、①EC型であること、②オンライン完結型であること、そして③幅広いカテゴリをもつこと、この3点です」(鈴木歩社長)

様々なサービスが出品されるココナラ上には、「デザイン」「イラスト・漫画」といった、15のメインカテゴリがあり、さらにそれが450超に細分化されている。出品者の属性は幅広く、副業人材から、世界的に有名な賞の受賞者や大手企業に作品を納めるクリエイターまで、あらゆる層に及ぶ。出品理由も、フリーランスの販路拡大、創作意欲を満たすため、隙間時間の効率的な副業、また、生活を支える収入源というものまで様々だ。販売単価は最低価格と最高価格が定められており、500円~100万円の範囲で設定可能となっている。

一方、購入者については、以前は一般消費者のほか個人事業主をメインの層と定めていたが、2021年8月にココナラビジネスの機能をリリース、今後は従来の層に加えて法人も、中小企業中心に取り込んでいく方針だ。

「売上比率では、制作・ビジネス系が全体の約6割を占めています。コロナ以降、非対面・非接触・DX化が進んだことにより、ここ2年くらいで制作・ビジネス系の割合がぐっと増えました」(同氏)

これに起因して、利用者一人当たりの購入額は、この2年間でおよそ1・3倍になっている。年間購入ユニークユーザー数は32万人(21年11月時点)となり、会員登録数は279万6000人(22年2月時点)まで増加した。

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