大王製紙 【3880・プライム市場】

紙・板紙と衛生用紙の二刀流海外展開で1兆円企業目指す

製紙業界国内3位※の大王製紙(3880)が構造改革に本腰を入れる。「紙」事業では、「洋紙」から「梱包・包装用紙」へシフト。トイレットペーパーやおむつなどの「衛生用紙」「吸収体製品」では、海外展開に注力。7年後の2026年度に、同事業の海外売上高を現状の9倍近い3000億円へと押し上げる計画だ。紙と衛生用紙の複合型企業という特性を武器に、中長期的には連結売上高8000億~1兆円規模を狙う。
大王製紙-阿達 敏洋

阿達 敏洋(あだち としひろ)

副社長

1979年、大王製紙入社。2006年、取締役就任。常務取締役、専務取締役、代表取締役専務などを経て、19年に代表取締役副社長就任(現任)。

紙の全カテゴリーを
網羅する複合型企業

「紙は文化のバロメーター」という言葉通り、社会・経済の発展と共に成長してきた製紙業界。国内製紙業界の1位と2位は、共に売上高1兆円超の王子ホールディングス・日本製紙。売上規模では2社に及ばないものの、大王製紙にはトイレットペーパーやティッシュペーパーなどの「衛生用紙」で国内最大級という強みがある。

1943年、大王製紙は新聞用紙のメーカーとして創業。需要の拡大を追い風に、70年代後半には売上高1000億円程度に成長した。78年には、印刷出版用紙や情報用紙といった洋紙事業に本格参入。そして翌年、今日まで続く同社の看板ブランド「エリエール」で衛生用紙市場への参入を果たした。

現在は新聞用紙や出版用紙、印刷用紙、段ボール原紙などの「紙・板紙」事業と、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチンタオル、おむつ、フェミニンケア用品などを展開する「ホーム&パーソナルケア(H&PC)」事業の2軸を展開。「紙・板紙、衛生用紙、紙おむつから生理用品までの吸収体の全カテゴリーを販売する『複合型』企業は当社だけ」(阿達敏洋副社長)というほどの幅広い商品群が、大王製紙の魅力となっている。

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