ドリコム 【3793・グロース市場】

モバイルゲームの開発・運用で過去最高益
自社IP比率上げ、音楽などエンタメ領域参入へ

ドリコム(3793)はモバイルゲームの開発・運用を行うIT企業で、「ONEPIECEトレジャークルーズ」「ちょこっとファーム」など、人気IPゲームを数多く手掛ける。2021年3月期は開発・運用が好調、かつ収益性の向上により利益面で過去最高を記録した。将来はIPを軸に、音楽など多様なコンテンツをグローバルに提供することを目指す。
ドリコム-内藤 裕紀

内藤 裕紀(ないとう ゆうき)

社長

1978年東京都生まれ。2001年、京都大学在学中に有限会社ドリコムを設立。代表取締役社長に就任(現任)。03年に株式会社に改組。06年、マザーズに上場。

コンテンツ事業が9割超新規で
先進的サービス創出

ドリコムの2021年3月期の業績は、売上高が前期比16・7%増の118億4000万円。営業利益は同232・7%増の20億5200万円と過去最高、経常利益、純利益の全てにおいても、最高益を達成している。

セグメント別に見ると、モバイルゲーム開発・運用を主に行う「ゲーム事業」が売上高の9割超を占める。自社でキャラクターやストーリーを開発したゲームも配信するが、現時点では他社がIPを持つ原作をモバイルゲーム化した「他社IPゲーム」が全体の約6割と比率が多い。これまで25本以上のIPタイトルを手掛け、うち14本を今も継続して運営している。

「ONEPIECEトレジャークルーズ」「アイドルマスターシャイニーカラーズ」(両作品とも配信元はバンダイナムコエンターテインメント)など同社が手掛けたゲームアプリには、人気の作品が多い。プレイステーション向けの人気ゴルフゲームをモバイル向けに最適化した「みんゴル」(配信元:フォワードワークス)はリリースから3年、20年6月に累計ダウンロード数が800万を超えた。また、自社配信の農園育成ソーシャルゲーム「ちょこっとファーム」は10周年を迎えるロングランタイトルだ。

その他「メディア事業」では、新規事業の創出を目的として先進的なサービスを試験的に立ち上げる。18年には位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム「AROW」、21年3月期はツイッター上でファン同士が繋がれるマーケティングツール「Rooot」、音楽と物語のプロジェクト「AKROGRAM」をリリースしている。

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