コーエーテクモホールディングス 【3635・プライム市場】

「三國志」「無双シリーズ」などを開発・販売
21年3月期の業績は過去最高、11期連続増益

「信長の野望」「三國志」など歴史関連ゲームで知られてきたコーエーテクモHD(3635)。2021年3月期の売上高は603億7000万円(前期比41.6%増)と過去最高となった。コラボレーションタイトルのヒットやライセンス許諾収入、好調なスマホゲームアプリなどが相乗効果を生み出している。海外売上比率も増加中で、アジアだけでなく世界で知られるブランドへと成長しつつある。
コーエーテクモホールディングス-浅野 健二郎

浅野 健二郎(あさの けんじろう)

取締役専務執行役員

2002年コーエー入社、執行役員。09年執行役員CFO。17年コーエーテクモゲームス取締役(現任)。18年取締役専務執行役員CFO 管理本部長(現任)。

3つの要素で業績最高
念願のスマホアプリが軌道に

同社は任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメントなどのゲーム機、PC向けの「パッケージゲーム」と、スマホ向けなどの「モバイルゲーム」の開発を手掛ける企業。21年3月期の好調要因として、大きく3つが挙げられる。

1つ目はニンテンドースイッチ用パッケージゲーム「ゼルダ無双 厄災の黙示録」が全世界で370万本と大ヒットしたこと。このタイトルは他社IP(ゲームタイトルやキャラクター)を使用しながら、同社が開発し新しいゲーム性を吹き込む「コラボレーション」スタイルでの制作だ。

2つ目は、スマホゲームアプリ「三国志・戦略版」が中国を始めとしたアジアで大ヒットしていること。このアプリは、同社のIP「三國志」に登場するキャラクターのグラフィックスを使用して中国アリババゲームスが開発したもので、全世界で5000万ダウンロードを突破。同社にはIP許諾料として売上の一定割合が支払われている。中国では以前から同社ゲームの海賊版が広く出回っており、“三国志ゲームといえばコーエー”というイメージが浸透。この下地があったことから「三国志・戦略版」が多くのユーザーに受け入れられヒットにつながった。

3つ目は自社開発のモバイルゲームアプリが好調なこと。20年9月配信開始の「三國志覇道」が月商10億円を達成し、順調にサービスを展開している。

「モバイルゲームアプリは中期経営計画で取り組んできて、長年の課題でした。当社は従来からパッケージゲームが強かったが、最近ではオンライン・モバイルゲームの比率が約4割と伸びてきました」(浅野健二郎取締役専務執行役員CFO)

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