住江織物 【3501・プライム市場】

車両内装と環境対応製品に強み
21年7月に中長期経営目標を発表

明治16年創業の住江織物は、国内で初めてカーペットを製造販売した会社だ。現在は一般・オフィス・ホテル向けのカーペット・壁紙・カーテンのほか、自動車・鉄道・バス・船舶・航空機等の内装材提供、家電メーカーへの機能資材のOEM供給等、領域を広げている。21年7月には中長期経営目標「SUMINOE GROUP WAY2022~2024~2027」を発表。同目標に新たな経営体制で取り組むため、永田鉄平新社長が就任した。
住江織物-永田 鉄平

永田 鉄平(ながた てっぺい)

社長

1957年生まれ、大阪府出身。関西学院大学経済学部卒。80年、住江織物入社。2012年執行役員機能資材事業部門長に就任。16年管理本部経営企画室部長、CSR推進室部長、17年取締役、19年インテリア事業部門長(現任)、スミノエ代表取締役社長。21年8月、住江織物代表取締役社長(現任)、スミノエ取締役会長に就任(現任)。

国会議事堂へ赤絨毯を納入
タイルカーペットも初製品化

カーペットにおいて国内随一の実績を誇る住江織物。インテリア、自動車・車両内装、機能資材の、3セグメントで展開している。祖業の「インテリア事業」では創業当時から続く国会議事堂への赤絨毯納入が有名だ。現在一般的となったオフィス内のタイルカーペットも同社が初めて製品化した。

「自動車・車両内装事業」では自動車・鉄道・バスへシート地やカーペットを提供。売上・利益率を牽引する事業となっている。特に自動車は全日系メーカーに納入し、カーペット地60%、シート地は40%近いシェアを獲得。鉄道シート地は65%強のシェアを誇る。

「機能資材事業」では冷蔵庫や空気清浄器内のフィルター、浴室床材やホットカーペット等をOEM提供。近年は医療・教育・福祉施設・車両等に展開する抗ウイルス機能加工製品が好調だ。

「コロナ禍で抗ウイルス製品は前年の3倍程伸びた。鉄道シート地にも続々と取り入れられている」(永田鉄平社長)

業界内では三菱ケミカルHD、東レ、旭化成、帝人、東洋紡に次ぐ6位の売上高。繊維業界は近年中国メーカーが急速にシェアを拡大し、国内メーカーは大手も主力事業を非繊維へシフトするなど変化を迫られている。そんな中、同社も主力はインテリア事業から自動車内装業へとシフトしている。

「トップシェアの車両関連事業に加え、長年取り組む環境対応製品、祖業の高品質なカーペットが当社の強み。家庭用インテリアは輸入材台頭により競争が激化していますが、当社製品は糸にも織り方にも付加価値のある中高級商材なので棲み分けはできている」(同氏)

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