学術機関の最先端技術に
独自技術をプラス
同社は1993年、「オンリーワンの技術により広く社会に貢献する」を企業理念に、津村尚史社長が設立した産学ベンチャー企業だ。顧客の内訳は大学・公的機関がおよそ8割で海外比率は6割を超える。従業員は40名のうち16名が博士号を保持。最先端技術の宝庫ともいえる学術機関と渡り合い、そこでの研究成果に同社独自の技術を掛け合わせ、「グローバルニッチ・トップ」の事業展開を行っている。
2005年、すでに開始していたバイオ関連の自動培養装置の事業に加え、放射光用超高精度形状ミラーの事業を開始したことが同社の転機となった。これは大阪大学、理化学研究所が保有する研究成果を実用化したもので、独自の技術で加工した微細に凹ませたミラーで、X線光源をナノレベルまで集光。生命科学、物質科学など様々な用途で使われる放射光施設では、光源が微小になることで、より精密な構造解析・分析が可能となるため、国内外問わず反響が大きく、多くの施設に納入された。
2015年には国立大学に対する国の出資事業「官民イノベーションプログラム」で大阪大学ベンチャーキャピタルから出資を受け、2018年、同プログラムの投資先としては初のマザーズ上場を果たした。20年9月には東証1部への市場変更を行っている。
事業別の売上高比率は創業当時から続く自動細胞培養装置、バイオ関連自動化装置、各種自動化装置など「ライフサイエンス・機器開発事業」が18.9%。高精度ミラーなどの「オプティカル事業」が81.8%を占め、主力となっている。
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