ジェイテックコーポレーション 【3446・プライム市場】

集光ミラー製造の産学ベンチャー企業
次世代EUVの半導体製造へ参入進める

ジェイテックコーポレーション(3446)は、超微細な物質を可視化する放射光施設などで使われる超高精度形状ミラーを主力に、再生医療・創薬の分野で使われる3次元自動培養装置など世界最先端の技術を量産化するための機器設計・製造・販売を手掛ける企業だ。今期は高精度放射光ミラーで培った技術を応用し、半導体業界への参入を進める。
ジェイテックコーポレーション-津村 尚史

津村 尚史(つむら たかし)

社長

1981年3月大阪大学工学部卒、4月倉敷紡績に入社。19 9 1年片岡実業取締役技術部部長を経て、1993年ジェイテックコーポレーションを設立。代表取締役に就任(現任)。

学術機関の最先端技術に
独自技術をプラス

同社は1993年、「オンリーワンの技術により広く社会に貢献する」を企業理念に、津村尚史社長が設立した産学ベンチャー企業だ。顧客の内訳は大学・公的機関がおよそ8割で海外比率は6割を超える。従業員は40名のうち16名が博士号を保持。最先端技術の宝庫ともいえる学術機関と渡り合い、そこでの研究成果に同社独自の技術を掛け合わせ、「グローバルニッチ・トップ」の事業展開を行っている。

2005年、すでに開始していたバイオ関連の自動培養装置の事業に加え、放射光用超高精度形状ミラーの事業を開始したことが同社の転機となった。これは大阪大学、理化学研究所が保有する研究成果を実用化したもので、独自の技術で加工した微細に凹ませたミラーで、X線光源をナノレベルまで集光。生命科学、物質科学など様々な用途で使われる放射光施設では、光源が微小になることで、より精密な構造解析・分析が可能となるため、国内外問わず反響が大きく、多くの施設に納入された。

2015年には国立大学に対する国の出資事業「官民イノベーションプログラム」で大阪大学ベンチャーキャピタルから出資を受け、2018年、同プログラムの投資先としては初のマザーズ上場を果たした。20年9月には東証1部への市場変更を行っている。

事業別の売上高比率は創業当時から続く自動細胞培養装置、バイオ関連自動化装置、各種自動化装置など「ライフサイエンス・機器開発事業」が18.9%。高精度ミラーなどの「オプティカル事業」が81.8%を占め、主力となっている。

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