シップヘルスケアホールディングス 【3360・プライム市場】

創業29年で売上5000億円、医療機器流通のトップランナー
M&A、海外、物流で加速、新経営体制で1兆円企業へ

シップヘルスケアホールディングスは、医療機器流通のトップ企業だ。現在連結子会社55社、持分法適用会社4社(2021年3月時点)をグループパートナーに、グループ全体で医療や介護の現場をサポートしている。事業の柱となるトータルパックプロデュース事業で市場を開拓。創業から29年間右肩上がりで成長を続け、現在売上高は5000億円規模になっている。同社は、Sincere(誠実な心)、Humanity(「情」の心)、Innovation(革新者の気概)、PartnerSHIP(パートナーシップ精神)の「SHIP」を企業理念に掲げ、「生命を守る人の環境づくり」をグループミッションにしている。コロナ禍で全国の医療機関が逼迫している中注目したい企業だ。
シップヘルスケアホールディングス-古川 國久

古川 國久(ふるかわ くにひさ)

代表取締役会長

1945年4月27日岡山県生まれ。64年 岡山県立倉敷商業高校卒業。西本産業(現キヤノンライフケアソリューションズ)入社。92年8月シップコーポレーション(現シップヘルスケアホールディングス)設立、代表取締役社長。92年11月グリーンホスピタルサプライ(現シップヘルスケアホールディングスに吸収合併)設立、代表取締役社長。2014年 シップヘルスケアホールディングス代表取締役会長CEO。21年代表取締役会長(現任)。

5事業で医療・介護をトータルサポート

同社は現在5つの事業領域を展開する。1つ目は、事業の柱となる「トータルパックプロデュース(TPP)事業」。これは地域中核病院から大学付属病院までの大型医療機関の新設・移転・増改築等のニーズに対して総合的なサービスを提供する。具体的には、企画運営・経営コンサルティング、医療機器・設備の販売、リース、設備工事、不動産賃貸など一括で請負い開業までサポートする。またグループ全体で、医療ガス供給システム、手術用照明器、介護用浴槽やリハビリ機器などの製造から取付け、メンテナンスも手がけている。

2つ目は、病院の日々の業務に必要不可欠な注射器やガーゼなどの診療材料、医療用消耗品を販売する「メディカルサプライ(MSP)事業」。通常のルート営業による販売だけでなく、SPDと呼ばれる院内外物流管理システムやIT管理システムなども開発・提供し病院の業務効率化をサポートしている。

3つ目は、老人ホーム、グループホーム、リハビリ施設などを運営する「ライフケア(LC)事業」。小規模多機能施設から大型施設まで、現在全国約100施設を運営。4つ目は「調剤薬局(PH)事業」。北海道から四国まで115店舗の調剤薬局を展開する。そして5つ目が「ヘルスケアサービス(HS)事業」だ。

2021年3月期の連結業績は、売上高4971億円、営業利益218億円。セグメント別売上高比率は、TPP事業が20・1%、MSP事業が67・8%、LC事業が4・9%、PH事業が5・5%。売上高ではMSP事業が全体の3分の2を占めるが、営業利益で見るとTPP事業が43・7%と約半分を占める。

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