一正蒲鉾 【2904・スタンダード市場】

水産練製品主力「カニカマ」トップシェア
2025年6月期売上高400億円目指す

水産練製品主力で、中でも、かに風味かまぼこ(カニカマ)でトップシェアを誇る一正蒲鉾。近年、練製品の生産量が減少傾向にある中、同社は生産の合理化や省人化を図りながら、高付加価値商品の開発を推進してきた。同社は現在、2021年7月よりスタートした第二次中期経営計画の真っただ中にある。ESG経営をベースに打ち出すと共に、重点戦略としてDX化などを掲げている。
一正蒲鉾-野崎 正博

野崎 正博(のざき まさひろ)

社長

1958年2月5日生まれ。新潟県出身。青山学院大学経済学部卒業。82年4月一正蒲鉾入社。91年取締役営業部長、97年常務取締役営業本部長、99年代表取締役社長(現任)、2007年イチマサ冷蔵代表取締役社長(現任)。

「キノコ事業」業界3位
マイタケ生産第2の柱に

同社は昭和40年の設立以来、かまぼこなど、魚のすり身を主原料とする水産練製品を手掛けてきた。21年6月期の売上高は346億8900万円、営業利益は17億3500万円。水産練製品メーカーでは紀文食品に次ぐ、業界第二位に位置付けられている。

同社には2つの事業セグメントがあるが、大黒柱の「水産練製品・惣菜事業」は、21年6月期の売上高ベースで全体の85・4%にも及ぶ。主力製品は、1978年から発売しているカニカマで、同事業の売上296億円のうち、4分の1を占め、市場占有率は約20%とトップを維持している。

カニカマは当初フレークタイプから製造を始めたが、ほどなくして本物のカニのように裂けるスティックタイプの生産も開始、大ヒットとなった。79年には累計100億本の販売実績を誇る「オホーツク」を、2008年には低価格の「サラダスティック」を発売するなど、「消費者のし好に合わせた商品を開発してきた」(野崎正博社長)。


▲カニカマでシェアトップを走る

一方、もうひとつのセグメントである「キノコ事業」は、「健康」をキーワードに第二の柱を創出する目的で1996年に参入。紆余曲折ありながらも現在ではマイタケに特化して生産を行っており、業界3位に位置する。21年6月期、キノコ事業の売上は全売上の13・5%まで成長した。

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