ウェルネット 【2428・スタンダード市場】

札幌で創業、コンビニ収納代行
大手スマホ定期など新サービス提供開始

バーコードの付いた払込票を用いて各種支払いをコンビニで行う「コンビニ決済」。この決済サービスを広めて急成長したのが、IT企業のウェルネットだ。全国に約5万店舗あるといわれるコンビニで各種代金が支払える利便性が受けて大ヒットしたサービスであり、今も同社の主軸となっている。このサービス基盤を活用し、近年はスマートフォンを使った決済など新サービスの開発運営に注力している。
ウェルネット-宮澤 一洋

宮澤 一洋(みやざわ かずひろ)

社長

1960年2月24日生まれ。83年明治大学政治経済学部卒業後、東洋計器入社。96年3月一髙たかはし(現いちたかガスワン)へ新規事業開発担当として入社。事業開発子会社(現ウェルネット)へ異動、事業開発担当取締役就任。2009年代表取締役社長就任(現任)。

主力は決済サービス
通販支払いなどコンビニで

ウェルネットのサービスは、「決済」と「送金」の2つの大枠のサービスがあり、主力となっているのが決済サービスだ。バーコードの付いた払込票を使って光熱費や通販などの支払いを行うコンビニ代行収納サービスを起点とし、同社が払込票の発行から印刷までを代行する請求書発行代行サービス、紙の払込票を使わず同社のサーバーとコンビニ端末や銀行ATMなどを接続して決済を行うEビリングサービスなど幅広い決済サービスを展開している。

今では一般的となったコンビニでの決済は、元々は同社の前身の会社のニーズを基に、宮澤氏らが広く拡販したサービスだ。元々、計測機器メーカーの営業マンだった宮澤氏は、新規事業開発担当取締役として北海道のガス燃料会社、一髙たかはし(現いちたかガスワン)の子会社(現在は分離独立)に入社。コンビニ決済ができるパッケージソフトを開発して無償配布し、そのソフトを使ってコンビニ決済をする手数料を受け取る事業を開始した。

「私が入社した1996年ごろはネット通販の黎明期であり、近所のコンビニで支払いができれば便利だろうと考えました。パッケージソフトの『コンペイ君』を使うと多額の開発コストなしでコンビニ決済を始められ、多くの通販会社でご利用いただいています。当時は社員16人の未公開企業だったので野良犬扱いされましてね(笑)、コンビニ各社と直接契約するのに非常に苦労しました」(宮澤一洋社長)

次に同社が取り組んだのは、紙がなくても番号だけでコンビニで即時に現金決済ができるサービスだ。当時、航空券の代金をリアルタイムに払う手段はクレジットカードに限られていたため、「現金でクレジットカードのような、払ったらすぐ入金データが行く仕組み」を作ろうと、同社と大手航空会社、ローソンが組んで実現した。

「旅行代理店に行かなくても直接、空港に行けるようになり、航空会社は旅行代理店に支払っていた発券手数料を大きく削減することができました。私共がやっているのは要するに固定費の変動費化です。1998年ごろ、航空会社は構造的赤字であり、決済された数に応じた手数料を頂く当社の変動費型モデルが注目されて大手各社に導入していただきました」(同氏)

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