主力は決済サービス
通販支払いなどコンビニで
ウェルネットのサービスは、「決済」と「送金」の2つの大枠のサービスがあり、主力となっているのが決済サービスだ。バーコードの付いた払込票を使って光熱費や通販などの支払いを行うコンビニ代行収納サービスを起点とし、同社が払込票の発行から印刷までを代行する請求書発行代行サービス、紙の払込票を使わず同社のサーバーとコンビニ端末や銀行ATMなどを接続して決済を行うEビリングサービスなど幅広い決済サービスを展開している。
今では一般的となったコンビニでの決済は、元々は同社の前身の会社のニーズを基に、宮澤氏らが広く拡販したサービスだ。元々、計測機器メーカーの営業マンだった宮澤氏は、新規事業開発担当取締役として北海道のガス燃料会社、一髙たかはし(現いちたかガスワン)の子会社(現在は分離独立)に入社。コンビニ決済ができるパッケージソフトを開発して無償配布し、そのソフトを使ってコンビニ決済をする手数料を受け取る事業を開始した。
「私が入社した1996年ごろはネット通販の黎明期であり、近所のコンビニで支払いができれば便利だろうと考えました。パッケージソフトの『コンペイ君』を使うと多額の開発コストなしでコンビニ決済を始められ、多くの通販会社でご利用いただいています。当時は社員16人の未公開企業だったので野良犬扱いされましてね(笑)、コンビニ各社と直接契約するのに非常に苦労しました」(宮澤一洋社長)
次に同社が取り組んだのは、紙がなくても番号だけでコンビニで即時に現金決済ができるサービスだ。当時、航空券の代金をリアルタイムに払う手段はクレジットカードに限られていたため、「現金でクレジットカードのような、払ったらすぐ入金データが行く仕組み」を作ろうと、同社と大手航空会社、ローソンが組んで実現した。
「旅行代理店に行かなくても直接、空港に行けるようになり、航空会社は旅行代理店に支払っていた発券手数料を大きく削減することができました。私共がやっているのは要するに固定費の変動費化です。1998年ごろ、航空会社は構造的赤字であり、決済された数に応じた手数料を頂く当社の変動費型モデルが注目されて大手各社に導入していただきました」(同氏)
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