訪問入浴事業で創業
全国549拠点を展開
セントケア・ホールディングは、1983年に千葉県に設立した日本福祉サービスを前身とし、2年後の85年から行政の委託を受けた訪問入浴サービスを開始した。その後も介護サービスの総合化を図って事業を拡大。現在は訪問介護、訪問入浴、訪問看護などの訪問系サービス、デイサービス、グループホーム、ショートステイなどの施設系サービスの両分野においてトータルな介護サービス事業を展開している。
展開エリアは東京、千葉、神奈川の1都2県を核に北海道、東北、中部、近畿、四国、九州まで全国に広がっている。2007年に旧コムスン社の14県の事業を承継し、地方都市にも拠点を拡大した。
現在の総拠点数は549カ所、主軸の訪問介護・入浴・居宅介護支援の拠点は240カ所(21年3月末時点)と全体の半分近くを占めている。スタッフ数は正社員、契約社員合わせて約1万人。ホームヘルパーの有資格者は約5200人、介護福祉士は約3500人、看護師は約2000人を数える。
「近年は、医療的ニーズに対応できる訪問看護の事業に投資しています。看護小規模多機能型居宅介護など、通い、泊まり、訪問の機能を備えた多機能型サービスも積極展開しています。多機能型サービスは、病院を退院した方などが在宅で生活できるように支援する橋渡しの役割の拠点です。当社が多機能型サービスを始めた頃は集客などに大変苦労しましたが、そんな中でも挑戦してきました。今ではノウハウもでき、全国トップクラスの拠点数を運営しています」(藤間和敏社長)
3つの創造と3つの規律を
経営理念に掲げる
同社は、経営理念として「3つの創造」「3つの規律」を掲げる。「3つの創造」は、「福祉コミュニティの創造」「ケア産業の創造」「生き甲斐の創造」の3つ。個人レベルの「生き甲斐の創出」が産業レベルの「ケア産業の創造」へとつながり、さらに社会レベルの「福祉コミュニティの創造」に達することを目標としている。
また、「高い思想と謙虚な姿勢」「損得より役立ちの優先」「ケアの本質の追求」の3つの規律を掲げてケアの質の向上を目指している。
「当社は介護サービスを利用するお客様一人ひとりの価値が尊重され、住み慣れた地域で暮らすことができる地域コミュニティづくりを担うと同時に、当社のスタッフがケアによってお客様に喜んでもらい生きがいを持って働くことを目指しています。このコロナ禍では、現場のスタッフは感染リスクが心配だったと思いますが、お客様の生活を守るんだという使命感で献身的に続けてくれました。今後もセントケア・グループとして社会が求める課題に対してしっかりと答えていく必要があると考えています」(同氏)
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